コトノココロ、コトの森。

      ~ Le Café Philosophique ~

ビジネスパーソンこそ、高校倫理を学ぶべき⁇

1. テツガクの人が書いた、参考書は2冊だけ‼

 ↑↑というわけで、高校倫理の参考書。

 テツガク出身のひとが書いたのは…「2冊だけ」だと判明。

 2冊のうち、まず『センター試験のツボ 倫理』*1を買ってみたけど

 もう1冊は、どんなかんじなんだろう↓↓

理解しやすい倫理 新課程版

理解しやすい倫理 新課程版

 

2. 倫理の参考書が、ビジネス最強の教科書?

 藤田さん*2の『理解しやすい倫理』。

 オンライン記事に使われてましたー↓↓

 私はビジネスパーソンこそ大学受験参考書の「倫理」を学ぶべきと考えています。

 (中略)

倫理は、さまざまな物事の本質を学び、自ら考える糧とするものです。

 (中略)

この点について、『理解しやすい倫理』(藤田正勝、文英堂)の前文が見事に語っています。

 みなさんも(中略)自分には何ができるのか、何を目指して生きていけばよいのか、といったことを考えているのではないでしょうか。そうした問題を考えるうえでの手がかりが倫理のなかにはあります。

 (中略)

倫理とは、人が能動的に考えるための知識や世の中の見方を提供してくれるものです*3

 

 「高校倫理」って、なにかを考えるための「ヒント」(見方)は知ることができるかもー(ビジネスパーソンじゃなくても)。

 

 いままで、どういったモンダイに挑戦しては、敗れていったのか…。

 キズ痕のレキシみたいな。

 

 でもソコには、考えるアイディアがつまってるイメージ。

 イロんなモンダイを、なんとか解決しようとガンバってきたんだから。

 

 著者の侍留さん*4、こんな記事も書いてる↓↓

日本の大学入試問題の科目や、高校の教科書、参考書、または資格の教科書などに、ビジネスパーソンなら誰でも知っておくべく「共通の知識のベース」が集約されています。

 (中略)

「倫理」の優れた参考書である『理解しやすい倫理*5

 『理解しやすい倫理』、なんか…激オシしてる('∇'〃)

 

 さらには、侍留さんの本『新・独学術』を絶賛してる、佐藤優さん*6

相談43 ●哲学が理解できません‼

 なにか、お勧めの「サルでもわかる哲学入門」はありますか?

  (中略)

 『佐藤優的洞察力』を育むためには、息子に何を与えれば良いと思われますか?

  (中略)

回答43 ●哲学理解の近道は、学習参考書にあり

  (中略)

高校生用の倫理社会の学習参考書で勉強することを勧めています。学習参考書は大学受験を意識してつくられているので、読んでも理解されないような本はすぐに淘汰されてしまいます。

  (中略)

息子さんが中学生か高校生ならば『シグマベスト理解しやすい倫理』をお勧めします*7

 

 『理解しやすい倫理』をオススメしてるコトよりも…

 「哲学が理解できません‼」(30歳主婦)っていう質問。

  どうして、そんな質問が出てきたのか…そっちの方が気になってしまう…

(ふだんの生活で、哲学が理解できても/できなくても、どっちでも良さそうだし)

 

3. 『理解しやすい倫理』って、こんなところにも…

 

こんなトコでも使ってる!

 

哲学倫理学の大学「教科書*8として

 

学会発表*9論文*10に出てくる、難しいコトバの説明に
(ちょっと驚き…参考書じゃなく、もっと参考にする専門書があるような…)

 

論文での主張*11を、補強するために

 

 

 正直…大学で使われてるとか、想像してなかった…

 

 

極めつけは…

 

(国際的にも評価されてる哲学者)和辻哲郎*12についての専門書*13
 にも載ってる‼

 

 (『理解しやすい倫理』が、和辻さんについての「日本語文献」の1つとして、

   取り上げられています)

 


 最後に、はてなブログで〆。 

id:dunton さん

 「万能文献」とまで言わしめた『理解しやすい倫理』。

 通信制大学での試験・レポートなどに、すごーく役立ったみたいですねー。

 

 でも、まずは…

 こないだ買った『センター試験のツボ 倫理』

 (コチラも、テツガク出身の人が書いた参考書)を読んでみよ↓↓

 

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ブロトピ:今日の芸術・人文情報


*1:中川雅博. 『センター試験のツボ 倫理』. 桐原書店. 2009年.

*2:ヘーゲルシェリングといった「近代ドイツ哲学」(主として宗教哲学)、そして西田幾多郎(京都学派)を中心とする「日本哲学史」の研究者。
 京都大学文学部哲学科出身。京都大学では、宗教哲学日本哲学史の研究室で指導。昭和61年度和辻賞(日本倫理学会;学部卒業15年以内・若手研究者の優れた研究業績へ授与)受賞。
 国立研究開発法人科学技術振興機構. 『researchmap』. 2014年9月5日. https://researchmap.jp/read0013171/
 ちなみに博士論文は、「日本の哲学って、西洋哲学の解釈・解説に終始してるんじゃない?」という批判に応えてみようという内容。
 藤田正勝. 「経験・言葉・表現 ―日本哲学史研究の試み―(Abstract_要旨)」. 京都大学. 博士(文学)論文. 2000年.http://hdl.handle.net/2433/180801

*3:侍留啓介. 「倫理の参考書が「ビジネスの最強の教科書」である理由」. 『ダイヤモンド・オンライン』. 2017年8月25日: p.1.
 「ダイヤモンド・オンライン」は、『もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら』(通称:もしドラ)なんかを出版する「ダイヤモンド社」のビジネス情報サイト。このオンライン記事は、本の編集者が発信する「書籍オンライン」のコーナーにあります。記事内容は、「ビジネスに必要な教養」を最速で身につける方法を書いた、侍留啓介. 『新・独学術 外資系コンサルの世界で磨き抜いた合理的方法』.(ダイヤモンド社, 2010年)から抜粋して構成。

*4:経営コンサルティング業の人。ついこの間まで、「ファイナンス理論」の勉強も。
 侍留啓介. 「プライベート・エクイティ・ファンドによる企業価値向上の研究 ~日本企業での業務改善における人材活用の視点~(博士学位論文の要約)」. 『京都大学大学院経営管理教育部 学位論文公開審査会について 』. 2019年1月3日. https://www.gsm.kyoto-u.ac.jp/images/daigakuinkakari/hakase/shinsakai/youshi_shitomi.pdf

*5:NewsPicks編集部. 「【図解・独学術】ビジネスは「高校教科書」で学べる」. 『NewsPicks』. 2018年12月8日.
 「NewsPicks」は、「ニューズピックス」社が運営する経済系SNS。なお同社は、企業・業界データベース会社「ユーザベース」のグループ会社で、このウェブサイトを運営するためにつくられました。

*6:実は?ネコと京都の本を集めている佐藤さん(佐藤優. 『人生の極意』. 扶桑社新書180.(扶桑社, 2015年): 第1章 生活 回答2 印税が入らないように古本コーナーで買おう)。いまは外交評論などの文筆業。元・外務省国際情報局分析第一課主任分析官。
 メディアへの露出も多いから、佐藤さんの本を通して、『理解しやすい倫理』を買った人もチラホラいるよう。

*7:佐藤優. 『インテリジェンス人生相談[個人編]』.(扶桑社, 2009年): pp.198-201.
 佐藤さんは、起訴され(外務省関連の国際機関を巡る背任容疑、北方領土国後島の発電施設を巡る偽計業務妨害容疑)、外務省を休職。この本は、休職中に投書などで受けていた人生相談(「週刊SPA!」(扶桑社)連載)に加筆修正したモノ。

*8:大阪経済法科大学. 「哲学概説Ⅰ<哲学概論A>」. 『シラバス』. 2018年. https://www.keiho-u.ac.jp/faculty/syllabus/82170_01.html
 この大学では、他3つの講義(哲学概説Ⅱ<哲学概論B>、倫理学概説Ⅰ<倫理学概論A>、倫理学概説Ⅱ<倫理学概論B>)でも、『理解しやすい倫理』が教科書になっています。https://www.keiho-u.ac.jp/faculty/syllabus/82180_01.html
https://www.keiho-u.ac.jp/faculty/syllabus/82190_01.html
https://www.keiho-u.ac.jp/faculty/syllabus/82200_01.html

*9:根本尚子. 「李良枝『由煕』における「遮断感」の不在」. 『大韓日語日文学会 2017年秋季国際学術大会』(2017年): p.113, 注5. 『理解しやすい倫理』を引用して、「ステレオタイプ」っていうコトバを説明してる。
 「大韓日語日文学会」(韓国)は、日本文学など日本語関連研究者の学会(http://www.jalalika.org/jp/)。この論文は、学会の「論文検索サービス」サイトから無料でダウンロードできます。

*10:加藤賢一・倉本哲男. 「社会科教育における人間形成論に関する一考察 ―「社会科の初志を貫く会」の理論的見解を中心に―」. 『佐賀大学文化教育学部研究論文集』. 第15巻, 第2号(2011年): p.292-3. http://portal.dl.saga-u.ac.jp/handle/123456789/118157
 『理解しやすい倫理』を引用して、アメリカの哲学者デューイの立場「道具主義」を説明してる。

*11:相澤一. 「古屋安雄『宗教の神学』2019年の再読 ―古屋神学の継承と発展のための一つの試論―」. 『フェリス女学院大学キリスト教研究所紀要』. 第4号(2019年): pp.34-5. http://id.nii.ac.jp/1404/00002397/
 宗教同士の対立について、多様性を尊重し、お互いに認め合う「宗教多元主義」。そういう考えが必要!っていう論調の参考書として、『理解しやすい倫理』が使われてる。この論文の筆者・相澤さんは、高校生が素直に参考書を読めば、宗教多元主義が「正解」だと受け取るだろう、と想っている模様。『理解しやすい倫理』では、「宗教多元主義が正しい」とか…ソコまで言ってないような…。

*12:個人だけが重要だとしてきた西洋哲学を批判。コミュニティ(人と人との間柄)を重んじる、日本独自の倫理学をつくった和辻さん。
京都大学大学院文学研究科・文学部日本哲学史専修』. 「思想家紹介 和辻哲郎」. 2003年8月. https://www.bun.kyoto-u.ac.jp/japanese_philosophy/jp-watsuji_guidance/
 Carter, Robert and McCarthy, Erin, "Watsuji Tetsurô", The Stanford Encyclopedia of Philosophy (Spring 2017 Edition), Edward N. Zalta ed. https://plato.stanford.edu/entries/watsuji-tetsuro/

*13:Anton Luis Sevilla. 『Watsuji Tetsurô’s Global Ethics of Emptiness: A Contemporary Look at a Modern Japanese Philosopher』. (Palgrave Macmillan, 2017年): p.247.
 この本のプレプリント版(全文)も見ることができます。正式に出版されているモノとは、ページ構成等、内容がちょっと異なるけど。Anton Luis Sevilla. 『Watsuji Tetsurô’s Global Ethics of Emptiness: A Contemporary Look at a Modern Japanese Philosopher』. 2017年: p.365. https://www.academia.edu/34722844/Watsuji_Tetsur%C3%B4_s_Global_Ethics_of_Emptiness
 正式版はこちら ⇒ https://www.palgrave.com/gp/book/9783319583525